Ippei Souda : Yano Toshiro 役
エピソード 10
第1話 苦しむ女、苦しめる女
7月のある日、東京郊外の新興住宅地に暮らす矢野絵里子(檀れい)は、幼稚園に通う息子・駿(青山和也)が家からいなくなっていることに気付く。慌てて周辺を探すが見当たらない。まもなく、池で男の子の遺体が見つかったと警察から連絡が入った。愕然となる絵里子は単身赴任先の大阪から駆けつけた夫・慎二(渡部篤郎)の胸で泣き崩れる。だが警察署に到着する直前、駿が見つかったと連絡が入る。亡くなった男の子は駿ではなかった…1年後、事件のショックも癒え、平和な日常を取り戻していた絵里子の隣家に新しい住人が入居した。女はマイヤー沙希(仲間由紀恵)と名乗り、アメリカ人の夫が仕事の都合で母国を離れられず、独りで暮らしているという。朗らかで明るく、人懐こい沙希とすっかり打ち解けるが、なぜか駿は避けるような態度をとる。するとある夜、大阪で馴染みのバーを訪れていた慎二の前に沙希が現れ…
もっと読む第2話 幸福を壊す女
慎二(渡部篤郎)が通う大阪のバーに再び沙希(仲間由紀恵)が現れた。沙希は自分を未婚だと言い、慎二に夫婦関係を尋ねる。会話は弾み、明るく美しい沙希に好感を持つ慎二。翌日、沙希が大阪の土産を持って絵里子を訪ねてきた。慎二がよく買ってきてくれるものと同じだと喜ぶ絵里子。沙希は大阪に住む知人が勧めてくれたと告げるが、それが慎二だとは夢にも思わない絵里子。数日後、絵里子のママ友・真由美(三浦理恵子)が営む喫茶店に沙希が現れた。絵里子の新しい隣人だと自己紹介をし、朗らかに会話を交わしてすっかり打ち解ける。その様子を、笑顔も見せずにじっと見つめている理生(南圭介)。視線に気づいた沙希は挑むような目で理生を見返す。翌日の午後、絵里子と真由美が参加するホタルの観察会に顔を見せた沙希は、駿が行方不明になった1年前の騒動にわざと話題を向けるかのように話を誘導する…
もっと読む第3話 隣の女の正体
深夜、絵里子(檀れい)を家に招き入れた沙希(仲間由紀恵)は酒に弱いという絵里子にワインを飲ませ、バーで知り合った妻のある男性を好きになったと話を切り出す。それが慎二(渡部篤郎)のことだとは思わない絵里子は、「いいわよ。どんどん好きになりなさいよ。」と沙希を応援する。 ほどなく、絵里子が酔って眠ってしまうと、沙希は絵里子の鍵を持ち出し家に侵入。楽しむように、ゆっくりとリビングを見回り、やがて駿(青山和也)の成長を追ったアルバムを目にし、手が止まる。沙希は思い立ったように寝室に入ると、眠っている駿に近づき、胸に耳を当てて心臓の鼓動を聞く。やがて、首でも絞めるかのように喉元に手を当てるが、眠ったままぐずり出した駿にたじろぐ。絵里子と勘違いしたのか、「ママ…」と無意識に手を伸ばす駿。その言葉に立ちすくんだ沙希だったが、駿をベッドから抱き上げ強く抱きしめる。
もっと読む第4話 満足できない女
沙希(仲間由紀恵)に弁護士を通して離婚を申し入れていた夫・雅彦(高知東生)は、沙希に喫茶店に呼びつけられ、あらためて離婚して欲しいと懇願する。だが沙希は受け入れず、隼人の苦しみを忘れたのかと激しい怒りをあらわにし、手にしていたコップをテーブルに叩きつける。流れ出した血にも気づかないほど正気を失っている沙希を、絶望的な目で見つめる雅彦。翌日、ケガの治療に病院を訪れた沙希は、義母の美津子(草笛光子)を見舞いに来ていた絵里子(檀れい)に声をかける。そのまま美津子の病室を訪ねた沙希は朗らかに談笑し、たちまち美津子の心をとらえてしまう。その夜、大阪に現れた沙希は慎二(渡部篤郎)の馴染みのバーへ。そこに慎二がやって来る。すると慎二は、沙希に心を奪われ仕事中にも沙希のことを思い出してしまうと苦しげに打ち明ける。そして2人はついに…
もっと読む第5話 絶体絶命
絵里子(檀れい)の携帯電話に未登録のメールアドレスから、まるで死んでいるように見える駿(青山和也)の写真が送りつけられてくる。昼寝をしていたはずの駿がいないことに気づいた絵里子は、家を飛び出して半狂乱で探し回る。そんな絵里子を、隣家の窓から無表情に眺めている沙希(仲間由紀恵)。一方、慎二(渡部篤郎)は一夜をともにして以来、沙希のことが頭から離れなくなっていた。沙希の姿を期待しながら馴染みのバーに向かうが、そこにいたのは会社の部下の亜美(藤井美菜)だった。慎二に思いを寄せる亜美は、慎二に近づこうと馴染みの店を探し出したのだった。翌日、慎二は沙希に電話をかけ、その夜大阪で再会。部屋を見たいとねだる沙希を、慎二は戸惑いながらもマンションに招き入れる。しかし、そんな2人の姿を、絵里子と親しくしていたかつての隣人・加奈(鈴木砂羽)が目撃してしまう。
もっと読む第6話 地獄の快気祝い
沙希(仲間由紀恵)は夫の雅彦(高知東生)から、離婚を承諾してほしいと再び懇願されるが、頑として受け入れようとしない。隼人が亡くなった池の近くに沙希が住んでいることを突き止めた雅彦は、何かを企んでいるのではないかと問い詰める。一方、入院していた慎二の母・美津子(草笛光子)は退院の日を迎え、快気祝いに沙希を呼んでほしいと絵里子(檀れい)に告げる。だが、加奈(鈴木砂羽)からあることを指摘されていた絵里子は、気が乗らない。そして、浮気疑惑の真偽を確かめようと、慎二に会いに大阪へ。久しぶりの一家団欒に気持ちもほぐれ、慎二の裏切りは嘘ではないかと思う絵里子だが、慎二のマンションである物を見つけてしまう…数日後、慎二は大阪から戻り、美津子の快気祝いが開かれた。賑やかにテーブルについた時、チャイムが鳴った。それは、慎二と“隣人”との初対面であった…。
もっと読む第7話 夫を誘惑した本当の理由
美津子(草笛光子)の快気祝いの席に現れた沙希(仲間由紀恵)。慎二(渡部篤郎)は浮気相手の正体が絵里子(檀れい)の親しい隣人と知って言葉を失う。呆然自失のまま散会し自宅にひとり残された慎二を、自宅に戻った沙希は今すぐ家に来るよう電話で誘う。最初から絵里子の夫だと知っていて誘惑したと告白し、混乱する慎二にあっさりと別れを切り出した。一方、慎二の浮気を疑う絵里子は、予定を変更しそのまま赴任先の大阪に戻るという慎二の態度に、わだかまりを募らせる。その日の午後、絵里子は隣家の様子をうかがう雅彦(高知東生)の姿に気づく。隼人が亡くなった日に絵里子の息子が行方不明騒動を起こしていたと知った雅彦は、沙希が何らかの企みをもって絵里子と家族に近づいたのではないかと察する。慎二を呼び戻した絵里子は、加奈(鈴木砂羽)が見たという女について追及し…
もっと読む第8話 反撃の瞬間
沙希(仲間由紀恵)は自分が慎二(渡部篤郎)の浮気相手だと明かし、微笑みさえ浮かべながら去っていった。沙希の裏切りと、自分を傷つけて楽しむかのような態度にがく然とする絵里子(檀れい)。慎二の携帯電話に連絡するが、留守番電話のアナウンスが虚しく流れるばかり。いてもたってもいられず、慎二の会社に電話をかけるが、応対した亜美(藤井美菜)はわざと取り次がずに電話を切ってしまう。絶望感に襲われる絵里子。まもなく、着信に気づいた慎二が絵里子に電話をかけてきた。思いつめた様子で「沙希さんだったのね」とつぶやく絵里子の声に、何も答えることができない慎二。夫の裏切りを確信した絵里子は、荷物をまとめ、駿(青山和也)を連れて家を飛び出した。翌朝、沙希は何食わぬ顔で真由美(三浦理恵子)の店を訪れ、絵里子と駿が家を出たきり戻らないと相談をもちかけ…
もっと読む第9話 零れたミルク
絵里子(檀れい)の長野の実家から駿(青山和也)が姿を消した。絵里子は沙希(仲間由紀恵)が連れ去ったと確信。慎二(渡部篤郎)に電話をかけ、取り乱した様子で沙希の仕業だと訴える。急いで自宅へ向かう慎二。慌てて自宅に戻った絵里子の目に飛び込んできたのは、慎二の胸で泣く沙希の姿だった。沙希から過去の話を聞いた慎二は、沙希を怒るどころか、かばうようなそぶりを見せる。激高した絵里子は沙希に思わずつかみかかる。その時、部屋に置いてあった大きな鏡が、沙希と絵里子の上に倒れてきた。沙希の目から流れる血…。翌日、病院に沙希を見舞った慎二は、決別の意を告げる。すると別れ際、「誰かが幸福になると、どこかで誰かが不幸になってる。みんなが幸せなんてありえない」とつぶやく沙希に、慎二は不気味なものを感じる。そして数日後、沙希は家を引き払い、忽然と姿を消す…。
もっと読む最終話 勝つ女
沙希(仲間由紀恵)が本当の母親は自分だと駿(青山和也)に思い込ませていたことを知った絵里子(檀れい)は激怒。姿を消した沙希の居場所を探し回る。しかし、雅彦(高知東生)にも行方はわからないという。息子の隼人が亡くなった日に、駿が無事に見つかったことに沙希は傷ついたのではないかと言う雅彦。その夜、絵里子は真由美(三浦理恵子)の店で開かれたホタルの会に出席。沙希を探していると一同に明かし、情報があればすぐに知らせて欲しいと呼びかけ早々に帰ってしまう。以前の朗らかな絵里子とは別人のようなその態度に、異様なものを感じる真由美ら。その夜、慎二(渡部篤郎)との口論の末、ついに心労で倒れてしまう絵里子。その代わりにと、理生(南圭介)が駿の面倒をかって出る。しかし、見舞いに訪れた加奈(鈴木砂羽)から、理生が急に店を休んだと聞いた絵里子は…
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