強い日差しが降り注ぐ夏の日。いつものように戦闘に向かっていたスピアヘッド戦隊は、とある場所を通りかかる。そこはかつて彼らがスピアヘッド戦隊へと配属された直後、桜の咲く季節に皆で花見をした場所だった。それぞれ別の部隊からこの地へと集められた少年少女たち。気になる相手の話で盛り上がり、流れ星を見つけてはしゃいでいた、僅か四か月前のレギオンの襲撃がなかった夜。確かにそこに在った仲間と共に、つかの間の宴を楽しんでいたことを、隊員たちは懐かしく思い出すのだった。
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ついに「特別偵察任務」を開始した生き残りのエイティシックスたちのもとに、シンの名を呼ぶ凄まじい声が届く。思わず身震いをする隊員たちに、レギオンをやり過ごしながら森の中を進むよう告げ、ひとり「羊飼い」との戦闘に挑もうとするシン。肝心な時に頼ってくれないシンに少し虚しさを覚えるライデンだったが、他の敵を引き受けて共に戦うことを選ぶ。「羊飼い」の指示によってシンからも引き離され、次々と迫りくる膨大な数のレギオンを前に息をのむ隊員たち。そこへパラレイドが繋がり――。
自らの誇りと、散っていった仲間たちへの誓いを胸に、彼らは最後まで歩みを止めない。武器弾薬を使い果たし、長らく付き添ったファイドが大破し、失われても。そうして彼らは、最期の場所へとたどり着く――。一方共和国に残されたレーナは、ついに彼の地へと降り立つ。パラレイド越しではない、本物のスピアヘッド戦隊基地で、微かに残る隊員たちの気配に触れた彼女は……。
故郷を、家族を守るため、連邦軍は退かない――。前線で死闘を続ける彼らの様子は、無線を通してシンたちのもとにも届いていた。〈エイティシックス〉たちが活路を開くと信じ、散っていく兵士たち。しかし〈ナハツェーラー〉の進路にも、回避できない〈レギオン〉の軍勢が立ちはだかる。戦闘を避けつつ、シンたちを〈モルフォ〉の元へと送るためグレーテは――。
各国が持ちうる技術の全てを結集させ、〈モルフォ〉の討滅作戦へと臨む。その先鋒を担うは〈エイティシックス〉の少年少女たち――。しかし〈モルフォ〉へと至る道は、幾度となく〈レギオン〉の攻撃によって阻まれる。一人でも多く先へと進ませるため、囮を引き受け次々と減ってゆく仲間たち……。彼らが身を賭して切り拓いた道の先で、ついに〈モルフォ〉と対峙したシンだったが――。
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